コーヒーにはたくさんの種類の抽出方法があるのはご存知ですか?
よくポットからゆっくりお湯を注いでいる様子をイメージされるかと思います。
その他にも、強力な圧力をかけて抽出する淹れ方のエスプレッソや、水で浸透させて抽出する水出しコーヒーなど、さまざまな種類の淹れ方が存在します。
今回は、代表的な淹れ方からマイナーな淹れ方まで10種類と、初心者の方におすすめの淹れ方をご紹介します。
まず、コーヒーの基本的な『抽出』について
まず、コーヒーはどのような仕組みで抽出されるかご存知ですか?
基本的な抽出には大きく2種類あります。
ひとつは『透過法』です。
簡単に言うと、コーヒーの粉にお湯を注ぎ、ろ過する方法です。お湯を注ぐ時間(抽出時間)が長くなると、コーヒーの成分がよく抽出され、逆にお湯を注ぐ時間が短ければ、スッキリとしたクリアなコーヒーを淹れることができます。
もうひとつは『浸漬法』です。
こちらは、コーヒーの粉を一定時間お湯に浸しておいてから分離して淹れる方法です。簡単な淹れ方になるので、味のブレが少なく、安定しておいしいコーヒーを楽しめます。
自宅でできる淹れ方10選
では、具体的な淹れ方を10種類ご紹介いたします。
ペーパードリップ
まずは王道、ペーパードリップです。
「コーヒーを入れる」と言えばこれを想像する方も多いのではないでしょうか?
コーヒードリッパーに、コーヒーフィルターをセットし、コーヒーを粉の上からお湯を注ぐ抽出方法です。
おうちでコーヒーを淹れてみようと思った方は、まずこの抽出方法からはじめてみてはいかがでしょうか?
ペーパードリップでおいしいコーヒーの淹れ方は、下記のオススメ記事をご参考にしてください。
コーヒードリッパーとは
ペーパードリップで使用するコーヒードリッパーとは、フィルターを固定させ、お湯の通り道を作る役割を担っています。
素材や形状、穴の形、リブと呼ばれる溝など種類が様々で、ドリッパーによってお湯がコーヒーの粉と接する時間(抽出時間)が変わるので、味に大きく関わってきます。
また、このアイテムがおうちにあるだけでインテリアとしての役割も果たすため、デザインや色などにこだわってみても良いですね。
コーヒーフィルターとは
コーヒーを抽出する際に、コーヒーの粉と抽出された液体を分離する役割のあるものです。
素材は紙製、布製、金属製のものと主に3種類あります。
それぞれ味わいや、管理方法なども違いますので、まずは王道のペーパーフィルターから淹れてみて、ご自分のお好みを見つけていくと良いでしょう。
ペーパードリップでコーヒーを淹れる時には、コーヒードリッパーと合わせて、このペーパーフィルターが必要になってきます。
台形のコーヒードリッパーには、台形のコーヒーフィルター。円錐のコーヒードリッパーには、円錐のコーヒーフィルターという風に、コーヒードリッパーに対応したコーヒーフィルターを用意してください。
ネルドリップ
ペーパードリップとの違いは、コーヒーフィルターの違いです。
布製のフィルターを使用するネルドリップは、紙製と比べ繊維が緩く、コーヒーの油分が抽出されやすいので、飲んだ時の舌触りが滑らかになります。
ろ過のスピードがペーパードリップに比べて速いので、じっくり時間をかけて抽出する方法が向いており、粉は中挽きから粗挽き程度の豆を用意しましょう。
また、この布製のネルドリッパーですが、お手入れが少しかかるのがデメリットです。
常に湿らせて保存する必要があり、またカビの発生を防ぐために1週間に1度煮沸消毒をするなど、少し手間がかかります。
他とは違う淹れ方に興味がある方はぜひチャレンジしてみてください。
サイフォン
理科の実験器具のような抽出器具を使う淹れ方が、サイフォンになります。
淹れる過程も、見てて楽しめるパフォーマンス要素のある抽出方法です。
下のアルコールランプや電熱で暖められたお湯が、管を通り、上部にあるコーヒーの粉と混ざり合わさって、最後にまた抽出された液体だけがフィルターを通って下に落ちてきて抽出されます。
他の淹れ方よりお湯が高温で淹れることができ、香りが高いコーヒーとなります。
フレンチプレス
最近スペシャリティコーヒーの流行によって注目されている淹れ方が、こちらのフレンチプレスです。
淹れ方がとても簡単なため、味を安定して抽出できると言う点で、コーヒー豆本来の味をダイレクトに味わうことができます。
フレンチプレスに粉を入れ、お湯を注ぎ、3〜4分漬けた後、シャフトと呼ばれる、フィルターの付いたバーを下げることで、粉と液体を分離し抽出します。
日本では、紅茶の抽出器具としても使われています。
エアロプレス
エアロプレスとは、「エアロ」の名の通り、空気の圧力を使って短時間で抽出する淹れ方です。
2005年に誕生した、比較的新しい淹れ方で、火や電気を使わないため、アウトドアなどで飲むシーンが多く広まっています。
しっかりとしたコーヒーの味を感じながら、クリアさもあるような味になってきます。
エスプレッソ
高い圧力で短時間で抽出される淹れ方で、イタリアでよく飲まれているこのエスプレッソ。
名前の由来は、急速な抽出から「エクスプレス」→「エスプレッソ」と言う名前になりました。
味は苦味やコクなどが際立ち、朝に飲むと一気に目が覚めます。
イタリアでは、朝の出勤前にカフェスタンドによって、サッと1杯飲んでから出社する文化もあります。
また、ラテアートと呼ばれるものは、このエスプレッソに泡立てたミルクを使って描きます。
お店などにある大きいエスプレッソマシンがイメージとして思い浮かべるかと思いますが、家庭用エスプレッソマシンなども最近は人気で、おうちでラテアートなどにもチャレンジできますよ。
水出しコーヒー(コールドブリュー)
お湯から抽出するのではなく、水からコーヒーの成分を抽出する淹れ方です。
「コールドブリュー」「ダッチコーヒー」などと呼ばれたりもします。
水から抽出をするので、お湯から抽出して冷やした「アイスコーヒー」とは、少し異なります。
時間をかけてゆっくり抽出するため、苦味や酸味などが比較的少なく、まろやかな味になるのが特徴です。
淹れ方も簡単で、だしパックなどにコーヒーの粉を適量入れ、水の入ったピッチャーに入れます。
そのまま常温で1時間程度、その後冷蔵庫などで8時間程度寝かせて完成です。
水出し器という器具を使って点滴抽出という抽出方法もありますが、おうちではじめるにはまず、だしパックからの抽出がオススメです。
パーコレーター
パーコレーターとは、コンロなどの上でお湯を沸かし、下のお湯が上に上がってくる過程でコーヒーの粉の層を通って抽出される淹れ方です。
コレひとつあれば抽出できるため、アウトドアなどで活躍まちがいなしですね。
高温のお湯での抽出になるため、濃厚で強めの味わいのコーヒーになります。
クレバー
ドリッパーの底に弁がついており、上からお湯を注いでも液体がドリッパー内に貯まります。
注いだ後に3分程度蒸らしてあげて、下にカップやサーバーにセットすると、抽出されるというユニークな淹れ方になります。
バーなどでよく使われることが多く、お湯を注いでから時間があるので、その間に他のお酒などを準備したりします。
CLEVERクレバーコーヒードリッパーLサイズ DRS888PC
コーヒーメーカー
主にご家庭や、オフィスなどでよく見られるコーヒーメーカーです。
コーヒーと水をセットするだけで、手軽に楽しめるところが大きな特徴です。
豆を挽くところから淹れるところまで自動で行う全自動タイプや、ボタンひとつで濃厚なエスプレッソを楽しめたりと、種類も様々なものが販売されています。
朝の時間がない時に、自動で挽きたてのコーヒーが飲めるのはいいですね。
初心者におすすめの淹れ方をご紹介!
やはりおすすめはペーパードリップです。
コーヒードリッパーによって味は様々なので、角度が急なもの、穴が小さいものなど、いろんなドリッパーをこだわってみるといいですよ。
また、ペーパードリップでいろんな味を飲みながら、「自分の好みの味」というものを見つけるのにも最適です。
なにから買えばいいかわからない方に、最後におすすめのコーヒードリッパーをいくつかご紹介します。
HARIO (ハリオ) V60 コーヒードリッパー
世界で認められているV60ドリップコーヒー
amazonより引用
V型円すい形のドリッパーは、珈琲の層が深く、珈琲粉に注いだお湯が円すいの頂点に向かって流れるので豆の旨味をしっかりと抽出。
大きな一つ穴なのでお湯を注ぐ速度によってコーヒーの味を変えられるため、好みのコーヒーがたのしめる
ひとつ目のおすすめは、HARIOのV60というコーヒードリッパーです。
穴が大きく1つだけ空いており、お湯を注ぐ速さを遅くしたり、早くしたりと味の調節が可能になります。
穴が小さく、ドリッパー内に貯めて抽出するドリッパーが多く、それらは安定した一定の味は出しやすいのですが、自分で調整と言う面ではデメリットになります。
また、安価なのも特徴です。
一番はじめに買っておいて損はないものなので、初心者の方はぜひ検討してみてください。
カリタ 波佐見焼 磁器製 コーヒードリッパー
ふたつ目は、カリタのコーヒードリッパーです。
こちらの特徴は、長崎県の波佐見町で有名な波佐見焼で作られたドリッパーになります。
また、カリタ独自の3つ穴を採用しており、技術がなくても、ドリッパーがいつでもおいしいコーヒーを淹れてくれる構造になっています。
見た目もシャープで、おうちで使うとおいしさも気分も上がりますね。
コーヒーフィルターのコーナーでもお伝えしましたが、このコーヒードリッパーは、形状が台形のため、コーヒーフィルターも台形のものを用意してください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、【コーヒーの淹れ方の違いまとめ】自宅でおいしいコーヒーを楽しむための抽出方法についてご紹介しました。
王道の「ペーパードリップ」
アウトドアで活躍する「パーコレーター」
手軽な「コーヒーメーカー」
など、たくさんありましたね。
ご自身のコーヒーライフに合った淹れ方を試しながら、好みの1杯を見つけていってください。