「ドリップコーヒーってどんなコーヒーのこと?」
「今まで何も気にせず頼んでた…誰か教えて!」
コンビニや、カフェなどでよく目にする『ドリップコーヒー』
メニューでも「アメリカーノ」とかとどう違うのか?
今回は、そのドリップコーヒーについて詳しくご紹介していきます。
後半には、おうちでおいしいドリップコーヒーを淹れるコツもご紹介しています。
ぜひ最後までご覧になってください。
そもそもドリップコーヒーとは?
英語でドリップ(drip)は「落ちる」「滴る」という意味があります。
コーヒーで言うドリップとは、コーヒーの粉にお湯を注ぎ、お湯の重みで液体が落ちていき、ろ過させて抽出したコーヒーのことを、『ドリップコーヒー』と言います。
コンビニのマシンも、喫茶店のマスターがフィルターを通して丁寧に淹れるハンドドリップも、この工程で抽出したコーヒーでしたら全てドリップコーヒーと呼ばれます。
ドリップコーヒーの1番の魅力は、『手軽においしいコーヒーが淹れられる』と言うところです。
道具も安価なものが多く、紙のフィルターをドリッパーにセットし、飲みたいコーヒーの粉をセットすれば、手軽においしくコーヒーを楽しめます。
また、ハンドドリップのコーヒーは、お湯の量や温度、抽出時間やドリッパーの種類などで、それぞれ異なった味を楽しめるのがいいところです。
ドリップコーヒーとエスプレッソの違い
カフェでお馴染みの「エスプレッソ」ですが、ドリップコーヒーとの大きな違いは、抽出方法の違いです。
お湯の重みで落とすドリップコーヒーと違い、圧力をかけて短時間で抽出するのがエスプレッソです。
このエスプレッソで抽出されたコーヒーはすごく濃厚で、好きな方はそのままで飲みますが、よくミルクを入れて「カフェラテ」などで飲まれます。
ちなみに、このエスプレッソで抽出されたコーヒーにお湯を入れたものが『アメリカーノ』と呼ばれるメニューになります。同じコーヒーでも、味わいが大きく変わってくるため、「ドリップコーヒー」と分けてメニューにしているところが多いです。
さらに詳しく言うと、『ホットコーヒー』は、出しているお店によって、「アメリカーノ」か「ドリップコーヒー」か違います。
気になる方は「このホットコーヒーはアメリカーノですか?」など聞いてみるといいですよ。全く失礼ではありませんので大丈夫です。
コンビニコーヒーはドリップコーヒー?
手軽に飲める本格コーヒーとして、大手3社のコンビニコーヒーがありますよね。
面白いのが、現時点(2021年9月現在)ではローソンのみがエスプレッソコーヒーを提供していて、セブンイレブン、ファミリーマートはドリップコーヒーを提供しています。
はじめは、ファミリーマートもエスプレッソを提供していたのですが、コンビニコーヒーでのドリップコーヒー人気が上がってきたのをきっかけに、ドリップコーヒーに変更していったそうです。
コーヒーの『抽出』について
コーヒーの抽出には大きく2種類存在します。
透過法と浸漬法です。
ドリップコーヒーは透過法になりまして、ろ過して抽出するような方法です。エスプレッソも、コーヒーにお湯が通過してろ過されて抽出されるためこちらに分類されます。
浸漬法はお湯などに一定時間浸けて抽出させる方法です。サイフォンやパーコレーターなどがこの方法に分類されます。
詳しい抽出方法や、淹れ方について気になる方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
ではドリップコーヒーの淹れ方について解説
ここから、ドリップコーヒーの淹れ方の手順と、コツについて順番に解説していきます。
準備編
では、ハンドドリップで抽出するための道具を紹介いたします。
必要な道具、材料は下記の7つです。
コーヒーフィルターの種類
フィルターは、ペーパーフィルターが1番ポピュラーです。手に入りやすく、使い捨てなので衛生的です。
その他、金属フィルターや布(ネル)フィルターと種類があり、それぞれ味わいが異なります。
フィルターごとの味の違いなど、興味のある方は是非こちらの記事をご覧になってみてください。
ドリッパーについて
ドリッパーとは、ペーパードリップで使用するフィルターを固定させ、お湯の通り道を作る役割を担っています。
素材や形状、穴の形、リブと呼ばれる溝など種類が様々で、ドリッパーによってお湯がコーヒーの粉と接する時間(抽出時間)が変わるので、味に大きく関わってきます。
コーヒーサーバー
ドリッパーの下にセットして、抽出された液体を一時的に保存する容器のことです。
直接ドリッパーから、カップに抽出しても大丈夫ですが、複数人分淹れる場合は、一度サーバーに抽出して、混ぜ合わせてから分けるのが良いでしょう。
ドリップポット
ドリップコーヒーをおいしく淹れるためには、コーヒーの粉の中心にお湯を注がなければなりません。
そのため、おすすめは細口タイプのポットがオススメです。
最近では、ケトルと細口ポットが一体となったものがあります。
お湯を沸かし、温度調節もしてくれるので、そのままドリップできるのが良いですね。
コーヒーの量を量れるもの(メジャースプーンなど)
コーヒーの粉をすくって量れるメジャースプーンなどがよく使われます。
なくても量が量れればなんでも大丈夫です。
だいたい1杯に使われるコーヒーの量が10g〜20gです。
コーヒー豆の焙煎度合いや、お好みでも変わりますが、このあたりで量って淹れてみてください。
コーヒー豆
もし豆のままで購入した場合は、コーヒーミルと呼ばれる、豆を粉にする道具が必要です。
電動、手動などや、刃の違いなどさまざまな種類が存在しますが、はじめは手動のコーヒーミルをオススメします。コーヒーの粉の挽き目を調節できるものが好ましいです。
こちらの記事でコーヒー豆の挽き方についてまとめてあり、それぞれの味の違いなどご紹介しているので、是非参考にしてみてください。
淹れ方編
いよいよ、淹れ方の手順を紹介します。
はじめにお湯を注ぐ『蒸らし』
フィルターやコーヒーの粉をセットし、わかしたお湯をはじめに中心からぐるーっと1周だけ注ぎます。だいたい20ccほどの量を注ぎ、10〜20秒ほど待ちます。
この工程のことを、『蒸らし』と呼びます。
コーヒー豆の新鮮度合いで、この蒸らしの時に粉がフワッと膨れ上がります。
これは、コーヒー豆の中にあるガスが出ていて、蒸らすことで、これからの抽出する液体に、コーヒー豆の成分が出やすくなるという役割があります。
『蒸らし』はドリップコーヒーでも重要な工程です。
注湯
2回目からのお湯は、ドリッパーから溢れない程度にたっぷり注ぎます。
ドリッパー内がいっぱいになれば注ぐのを止め、上のコーヒーの粉が沈むのを待って、ある程度沈んだらまた注ぎ始めます。
これを、分量抽出できるまで繰り返し、終わったらサーバーからドリッパーを外し抽出完了です。
注ぎ方は、中心から『の』の字を書くようにゆっくり注いでください。
後は、サーバーからカップに移して終了です。
おいしいドリップコーヒーを淹れるコツ
最後に、ドリップコーヒーをおいしく淹れるコツを紹介します。
おいしく淹れるコツ【コーヒーの粉の量と挽き目】
まず、粉の量についてお話しします。
コーヒーの粉の量にはあまり知られていませんがセオリーがあります。
深煎りのコーヒー豆は多めに、浅煎りのコーヒー豆は少量で。
深煎り、浅煎りというのは、コーヒー豆の煎り具合のことです。濃い色が深煎りで、薄い茶色が浅煎りと覚えておいてください。
「深煎りは濃いから少量でしょ」「逆に浅煎りは薄いからたくさん入れた方がいい」
というイメージをされると思いますが、逆なのです。
理由は後述する挽き目でご紹介しますね。
次に挽き目についてです。
挽き目も同じようにセオリーがありまして、
深煎りは粗く、浅煎りは細かく。
というのがセオリーになります。
基本は、粗く挽けばスッキリとした味わい。細かく挽けば濃厚な味わいになります。
深煎りを細かい挽き目で抽出してしまうと、コーヒーのえぐみなどの成分が出過ぎてしまうため、深煎りのコーヒーでは粗い挽き目で抽出し濃厚さなどを調整しています。
逆に、浅煎りを粗い挽き目で抽出すると、スッキリし過ぎて酸味が強くなり過ぎてしまいます。細かい挽き目にして、浅煎りの成分を存分に抽出するために細かく挽きます。
しかし、コーヒーとは嗜好品なので、えぐみのあるのがお好みの方もいらっしゃれば、酸味がお好きな方もいらっしゃるので、いろいろ試しながらお好みを見つけていくのが1番です。
おいしく淹れるコツ【蒸らし】
次に『蒸らし』の工程です。
注目して欲しい点は、蒸らし時間と注ぐお湯の量です。
蒸らし時間を20秒として、最初に注いだあと、20秒後に1滴コーヒーが落ちるのが理想です。
これは、粉の量にもよって変わるので、粉の量に対して、お湯の量を調節しながら見つけ出してみてください。
蒸らし時間は20秒に限らず、30秒取る方もいれば、1分取る方もいます。
時間はお好みなのですが、その秒数で1滴と言うところに注目してください。
コツは、『思ったよりあまり注がなくていい』です。
おいしく淹れるコツ【注湯の仕方】
最後に、お湯の注ぎ方です。
蒸らしが終わり、後は抽出するだけの段階ですが、ここでの注意点は、
ペーパーなどのフィルターに直接お湯を当てないようにする、です。
フィルターにお湯を注いでしまうと、お湯が通過するスピードが早くなってしまい、完全に抽出せずにコーヒーが落ちてしまいます。
ペーパーでも、布(ネル)フィルターでもどのフィルターでもドリップの際に、側面のフィルターにお湯が当たらないように注意することがポイントです。
まとめ
ドリップコーヒーは、道具さえ揃えば、手軽で簡単なコーヒーの楽しみ方です。
また、淹れ方の工夫次第でいろんな表情を見せてくれるので、
「次はゆっくり淹れてみよう」
「豆が深煎りだから、挽き目は粗めで淹れてみよう」
など、いろんな工夫をやってみてください。
自分で工夫して淹れたコーヒーは、お店で飲むものと少し違うおいしさがあるのではないでしょうか?